転職や異動で職場の人間関係がモヤモヤしたらラケット感情を分析!

異動や転職をして新しく職場の人間関係を築いていくことは1つの大きなプロジェクトです。
実際、同僚や上司との関係がうまく行くか行かないかで、仕事へのモチベーションにも影響しますし、最悪身体的な影響を引き起こしかねません。
この記事では、職場の人間関係で悩んでいる人が知っておいたほうがいい交流分析の「ラケット感情」について解説していきます。
ラケット感情について知ると、自分の感情に圧倒されないように助けられます。
もくじ
異動や転職後に職場の人間関係でモヤモヤしたらラケット感情を分析!
ラケット感情とは、「ストレスが掛かった状態でよく表してしまう不快な感情」を指します。
(「代用感情」「ニセ感情」と呼ばれることもあります。)
人は本来4つの感情があると言われています。
① 悲しみ:過去への問題に訣別するための感情
② 怒り:現在の問題を解決するための感情
③ 恐れ:未来に起こりえる問題を回避するための感情
④ 喜び:現在の状態が変化する必要ないことを確認する合図
これらの感情を表現したいときにその通りに表現できるのであれば、人間関係に悩むことはまずありません。
悲しいと感じたときに思いっきり泣いたあとは少し「悲しみ」の感情は和らぎます。
また、何かうれしいことがあったときにガッツポーズできたりすると本当に幸福度合いが上がります。
しかし、幼少期になると、人は家庭で親から教育や躾(しつけ)を受けます。そのときに自分が持った素直な感情をそのまま表現できない機会が増えていきます。
それゆえ、子供は親からの愛情や承認を得るために、自分の本当の感情を押し殺してその場にふさわしい感情を学習していきます。
どのようにしてラケット感情はできていくのか?
例えば、あなたがお母さんとお買い物に行くときに、
男の子「ママ、このお菓子がほしい!」
お母さん「この前も買ってあげたでしょう。今日はダメ」
男の子「(なんで買ってくれないの?)…。」
しばらくして
お母さん「いつまで泣いているの?あなたはもうお兄ちゃんでしょう?」
男の子はお母さんに、自分の本当の感情「悲しみ」を理解してほしくて泣くことまでしたのに、受け入れてもらえなかったわけです。
その結果、
・「僕はわがままなんだ…。」(罪悪感) ・「もうお菓子がほしいって言わなければよかった。」(後悔) ・「お母さんにわかってもらえなかった。」(寂しさ)
などの本当の感情を覆い隠す別の「ニセモノの感情」(=ラケット感情)が生まれていきます。
このように、人は教育を受け社会に適合していくために、本当の感情を表現せず、別の感情で多い隠す術を身に着けていきます。
このように、人は幼少期(6~10歳)に様々な感情を経験します。その時期に繰り返し体験した感情がよりパターン化されていき、その結果、だんだん表現しやすい感情とそうでない感情が分かれていきます。このようにしてできた感情の「偏り」が性格を形作っていきます。
ラケット感情は「不快な感情」なので、この感情に頻繁に支配されていると、大人であるわたしたちが直面している問題に建設的に取り組む大きな障害になります。
ラケット感情の構築プロセス
① 親から感情を学ぶ
人は誰でも親的要素を持っていますが、それは主に実の両親の価値観や反応を見聞きすることによって自分自身に取り入れます。親が離婚や死別でいなかった場合は、祖父母や親戚など実際にその人を養育した人の価値観や反応の仕方を学びます。
② 親からストロークを得るために奨励された感情を取り入れる
こどもはいつでも親かの愛情や承認を求めています。ですから、一時的にラケット感情を持って不快な状態になったとしても、そのあと親からの愛情・承認を得られるならば、そのラケット感情さえも利用します。
上で考えた買い物のときにお菓子を買ってもらえなかった男の子の話でもう少し解説します。
・「僕はわがままなんだ…。」(罪悪感)
・「もうお菓子がほしいって言わなければよかった。」(後悔)
・「お母さんにわかってもらえなかった。」(寂しさ)
と感じていた後に、お母さんからこう言われます。
お母さん:「よく我慢したね。次はお菓子買ってあげるわね(笑顔)」
男の子は「罪悪感」「後悔」「寂しさ」を感じていれば、お母さんは自分に気にかけてくれる!笑顔さえくれる!と味をしめます。
このようにして、自分の本当の感情を押し殺して、どんな感情があれば親から愛情・承認(プラス+のストローク)をより簡単に得られる方法を学習していきます。
こうした経験を繰り返すことによって、親からプラス+のストロークを得やすい感情を子供なりに分析し、それがその人の感情の癖になっていきます。
ラケット感情の特徴
① 本物の感情を覆い隠してしまう
② ストレスが掛かったときに発生
③ 幼少期より繰り返し使用して身につけたもの
④ 馴染み深いもの
⑤ 反射的に表れる
ラケット感情の具体例
不安 | 劣等感 | 憂鬱 | 心配 |
罪悪感 | 無力感 | イライラ | 絶望感 |
猜疑心(嫉み疑う) | 見捨てられた感 | 孤独感 | 自己卑下 |
傷心 | 落胆 | 後悔 | 憐憫(哀れむ) |
後悔 | 恨み | 当惑(戸惑い) | 拒絶感 |
批判 |
あなたのラケット感情は何ですか?
あなたの「ストレスが掛かった状況で、つい出てしまう不快な感情(ラケット感情)」は何ですか?
上にある具体例の一覧から該当しそうなものを探してみてください。
あなたの感情にまず敏感になろう!
決してネガティブな感情を持つことそのものが悪いわけではありません。
常にポジティブな感情しか持ってはいけないということはありません。そんなことは不可能です。
しかし、大事なのは、今自分がラケット感情を感じていることを認めて、その感情に支配されないようにすることです。
まとめ
・人は「本当の感情」と「ラケット感情」を持っている
・ラケット感情とは「ストレスが掛かった状態でよく表してしまう不快な感情」のこと
・幼少期から繰り返し使用して身につけたもので、理屈ではなく反射的に出やすい
・ラケット感情は大人の問題解決には適しておらず建設的な方向に進まない
今後も少しでも有益な情報を伝えていきたいと思っています。私のモチベーションにもなるので、この記事を読んで共感した!よかった。と思ったら下の「いいね!」ボタンをポチっとお願いします。こういう記事を書いてほしい!という要望がありましたら、お気軽に「お問い合わせ」からリクエストしてください。お待ちしております。